ちりまろブログ

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多分エンジニアです

「シンメトリー」を意識して写真の構図を考える

たじま
たじま

今回は「よもやまとやま」で紹介した記事

たじま
たじま

で使用した写真について解説していくぞ。

ポイントはタイトルの通り「シンメトリー

はる
はる

※この記事に日本酒の話は全く出てきません※

たじま
たじま

最後に現像もするぞ。

[temp id=2]

はじめに

美しい写真はなぜ美しいと感じるのか。共通点を考えるとその基本は整った(よく考えられた)「構図」なのではないでしょうか。

今回はそのうちの一つ「シンメトリー構図」(別名「線対称構図」)にスポットを当ててみたいと思います。

シンメトリー構図を意識したことがない人でも、シンメトリー(線対称)で知られるインドの世界遺産「タージマハル」は聞いたことがあるのではないでしょうか。

昔から人はシンメトリーに美を感じていたんでしょうか。

そんなシンメトリーな構図を作るにあたって意識するポイントを、以前の記事で登場した写真を題材にして解説します。最後の仕上げで現像も行います。

それから

今回題材にする写真はこちら、まずは撮って出しです。

シンメトリー撮影時
6DmkII + 24-105 F4L IS II USM (ISO:100, f:4, SS:1/500, 0ev, 93mm)

撮影に使用した機材は

で、撮影ボックスとして

を使用しています。一辺約60cmで組立式なので、撮り終わったら畳んで約60cm四方の板状になるので重宝しています。

個人的にはもう一回り小さくてもいいから、更に簡単に組み立て・片付けができる撮影ボックスがあるといいなぁと思っています。

そして気になる銀色のカゴのようなものは高岡の錫製品メーカー「能作」さんの「KAGO -スクエア- L」になります。

結構良いお値段するけど、小物撮影にはとても重宝してます。

では本題に戻って写真を見ていきましょう。

1.シンメトリーの重点を決める

まずはシンメトリーで最も重点とする部分を決めます。

シンメトリー意識ポイント1
赤:シンメトリーの最重要線

縦の線は線対称の対象の軸となる線です。これを画像のど真ん中に来るように配置します。

次に横の線。こちらKAGOを折り曲げたときの頂点になる部分です。構図の中心よりやや上に位置しています。

これがずれると目立つので、線対称の軸に直交するようKAGOを調整しました。

2.シンメトリーの線を増やす

次にシンメトリーになる線を増やしていきます。線対称の軸をベースに左右でバランスが取れるよう、青で示した線がシンメトリーになるよう被写体を回転させたり位置を調整しつつバランスを撮っていきます。

シンメトリー意識ポイント2
青:意識するシンメトリー

3.スキマのシンメトリーも意識する

最後に、オレンジで囲った部分に関してです。「銀・黒・白」と大きく色の変わっている部分です。

この黒の部分は目立ちます。ここの幅が乱れるとバランスが崩れてしまい、せっかくのシンメトリーが台無しです。

幅が揃うよう微調整をしてトライ&エラーで撮影します。

シンメトリー意識ポイント3
色の変化部分は気を遣う

4.線対称のおさらい

これまで解説した意識するポイントを全て重ねてみます。

こうしてみると一枚の写真の中でも意識するポイントは結構あるものなんですね。

シンメトリー部分全記載
シンメトリーで意識するポイント

これらを全て調整して撮影したものが最初にも載せた写真になります。

シンメトリー撮影時

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ちょっと崩れても作品のうち!

ここまで解説してきましたが、今回の写真で気になるポイント。それがこれ。

シンメトリー失敗部分
緑:対称が崩れている

本当はここも対称にしたほうがいいんでしょうが、撮影している時は気付かず…

現像している時に気づきました。(時すでに遅し)

全体としてはそこそこきれいなシンメトリーになっているし、錫が持つ金属だけど柔らかい、一見不安定なような側面が現れたのかなと思っておきます。

たじま
たじま

そこが「能作」の味!

Luminarでレタッチ

撮った写真をLuminarでレタッチしてきます。

今回は撮影環境も撮影ボックスを利用していることで安定しているため、現像ではあまり派手なことはしません。

今回は

の2つのパラメータのみ触っていきます。

AIストラクチャ

今回の現像のキモはここです。Luminarに搭載の「AIストラクチャ

このツールを使用すると、画像のディテールと明瞭度を調整できます。

SKYLUM公式ページより引用

という機能をもったツールで、Luminar側で判断してディティールと明瞭度の調整をワンタッチで行ってくれます。

シンメトリーAIストラクチャ
AIストラクチャ

画像を見つつパラメータを自分の好みになるまで変更します。

今回は、酒瓶のラベルの紙の質感やKAGOの錫の金属感ディティールを強調したいという思いがありましたのでAIストラクチャを使用しました。

ワンタッチでいい具合に編集できるの、本当に便利です。

ライト

次にスマートコントラストとシャドーを調整します。通常はライトパラメータから触ることが多いですが、AIストラクチャでは明瞭度も変わります

AIストラクチャを設定したことでコントラストが必要以上に強くなった印象があったのでスマートコントラストを少し抑えて設定します。

金属感はちょっと暗めの方がよりカッコよく見えるかなと思い、シャドーを適度下げていきます。

シンメトリーライトパラメータ
ライト

前後比較

Luminarでレタッチした前後を比較します。スライダーで左右を動かせるので、是非じっくりと比較してください。

[twenty20 img1="1613" img2="1587" before="Before" after="After" offset=0.8]

AIストラクチャを使用したことで素材の質感が出て、シャドーを落としたこともあり、全体的に落ち着き、締まった印象になりました。

これにて完成です。お疲れさまでした。

さいごに

今回はシンメトリー構図な写真について解説を行い、最後に簡単にレタッチを行いました。

一言でシンメトリーといっても意識するポイントはいくつかあり、全てを整えるのは案外大変でした。

レタッチの部分で使用した「AIストラクチャ」本当に優秀です。Luminar4をお持ちの方は是非お試しください。

まとめ
  • シンメトリーは最初に重点を決め、それに対称なものを付加していく。
  • 完璧を求めすぎるとキリがないのである程度で区切りをつける。
  • 現像では何を強調するか明確に決めてパラメータを変更する。
たじま
たじま

ここまで読んでくれてありがとう。ナンを進呈しよう。

はる
はる

作ったこと無いだろお前。