ちりまろブログ

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【読書記録】また、同じ夢を見ていた/住野 よる【88冊目】

また、同じ夢を見ていた/住野 よる

同著者の有名作品「君の膵臓をたべたい」を読了してそのままでした。この前会った友人と本の話をしていて、本作も面白いから読んでみろ。ということで読みました。

感想

登場する主要人物は、主人公の「小柳菜ノ花」とお友達の猫。それに加えて

  • 南さん
  • アバズレさん
  • おばあちゃん

の三人が重要人物として登場します。

菜ノ花が猫と一緒に三人の居場所を巡って小学校の課題である「幸せとは何か」を探す話です。

南さん

リスカしてしまうような女子高生です、両親を事故で亡くしており。菜ノ花の両親が授業参観に来られないことで両親と喧嘩したことを知ると。必ず仲直りしろと菜ノ花に約束させます。菜ノ花が両親と仲直りした後、南さんはいなくなり、南さんと会っていた廃墟も取り壊しでなくなります。

アバズレさん

菜ノ花が猫と出会ったとき、猫が弱っていたのを介抱してくれたことで出会った人です。アパートの表札に「アバズレ」と書いてあったのを菜ノ花がみて「アバズレさん」と呼ぶようになりました。アバズレさんは「季節を売る仕事」をしています。

アバズレさんは菜ノ花がクラスで浮いている時に自身の過去の話をしたあと、菜ノ花がアバズレさんのアパートを訪れるとアバズレさんの部屋はなく、そこには別の人が何年も前から住んでいたとのことです。

おばあちゃん

菜ノ花が遊びに行くと、おいしいお菓子をくれるおばあちゃんです。おばあちゃんの家の壁には「Live me」と書かれた絵が飾ってあります。菜ノ花に「幸せとは」という話をしたあと。菜ノ花が帰り道に振り返るとそこにはおばあちゃんの家も、友達の猫すらもいなくなっています。

まとめると

南さんと別れたあたりからなんとなく察しがついていましたが、

  • 南さんは、両親と仲直りできなかった場合の菜ノ花の姿
  • アバズレさんは、クラスに馴染むことを諦めた場合の菜ノ花の姿
  • おばあちゃんは、絵を書いた人と一緒になれなかった場合の菜ノ花の姿

といったところです。

この小学生主人公の口癖は「人生とは~」です。絵を書くことを馬鹿にされた友人と話をしている最中に言った

・人生はリレーの第一走者のようなものである、自分が動かないと始まらない。

ってのはなかなか意識が高めで好きでした。

読み始めた最初は、文章が「~です」「~ます」調で書かれていたこともあって、自分には合わない雰囲気の小説かなーと思いましたが。なんだかんだ気づいたら黙々と読んでしまっていました。

展開はある程度読めるけど、それでも面白かったです。