ちりまろブログ

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【読書記録】無人島に生きる十六人/須川 邦彦【85冊目】

無人島に生きる十六人/須川 邦彦

初版の発行が1948年ですが、私が読んだのは2013年に出版されたものです。違和感がない程度に現代風に言葉を変更してある。と、あとがきに書いてあった(ような気がします)

感想

遭難する船「龍睡丸」の船長であり、現在は教官の中川が生徒に語るという形で話は始まります。

語り方が淡々としていて、過剰な描写がない印象です。遭難して生きるか死ぬかの瀬戸際なんだから、もっと激しい語り方でいくのかと思ってました。龍睡丸が挫傷して沈むあたりはさすがに激しかったけど。

後半にかけては歳をとった者が落ち着きをもって過去を語っている。といった感じでしょうか。

読んでいて特にいいと思ったところは、島生活での四つの決まりの部分です。その四つは

  • 島で手に入るもので暮らしていく
  • できない相談を言わないこと
  • 規律正しい生活をすること
  • 愉快な生活を心がけること

です。しっかり全員がこれを最後まで守っているのもいいですね。
(個人的には、今回の十六人にもし数名女性がいたらどうなってたのかと思うところであります。この時代航海に女は行かないでしょうか・・・)

大体3時間くらいで読めるし、面白かったです。最近の小説ばかり読んでいる私にとっては逆に新鮮な書きっぷりでした。